そして海の思い出を胸に
「そう。まぁ、いいけど。ところで……さっきの男、誰?」
えっ?
なんて説明すればいいんだろう……。
「知らない人」
取りあえず、とぼけてみた。
「その割には、仲良さそうだったな? なっ、美雪?」
「別に、仲良くなんかありません! ……だって、あの人……」
僚二に似ているんだもん。
そう言おうとした時、真実が走って来る。
「美雪、ごめん。時間変更の件、言い忘れてた」
「いいよ、気にしなくて。もう時間過ぎてるから、行こう? 隆志先輩も」
「そうだな。じゃぁ、始めるか」
隆志先輩の声と共に、私達は体育館へと入った。