そして海の思い出を胸に

ねぇ、涼。

どうして、何も訊かないの?

どうして、私の傍に居るの?



「なぁ、美雪」

上を向いたまま、涼は声を掛けてきた。

私は相変わらず、どうしていいか分からず、無言。

でも、涼はそのまま続けた。



「おまえが何を心に抱えているのか分からないけど、俺が傍についてるから、辛くなったら頼れよ?
 1人より2人の方が辛さも半分になるんだからな」



……どうして?



急に涙が込み上げて、止める事が出来なかった。


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