そして海の思い出を胸に
ドキン
今の涼の表情は、大人の包み込むような笑顔で、昨夜の事を思い出し、心臓がうるさくなってくる。
落ち着け、自分。
「どれ。こっちは俺が準備してやるから、ボール、準備して来いよ」
涼は固まったまま動かない私の手から鎖を受け取りながらそう言って、私の背中を倉庫の方へ軽く押した。
あっ、そうだった。
今は貴重な朝練の時間。
「うん」
私は返事をして、倉庫へ向かった。
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