君と僕。
僕はいきなりの質問だけど「信じてるよ。新谷は?」と返した。
でも、君は黙ったままだった。
何かがまとまったのか、君は「信じたいけど、信じられないです。」と話し出した。
僕は、真っ直ぐに「何で?」って聞いてみた。
君は、自分の両親の話をし始めた。
「うちの父と母は、あたしが15歳の時からずーっと別居したままなんです。父には、愛人と子供までいて母は全部知っているのに、離婚しようとしないんです。だから、あたしは永遠って信じられないんです。」
そう言ってまた君は、黙り込んでしまった。
その時、僕は君の笑っていない瞳の理由が分かった気がした。
だから、僕は「それでも、新谷は信じたいんだろ?じゃ、信じなきゃ。願いは、叶うものじゃなくて叶えるものじゃん?」と励ました。
君は思い付いたかのように「そっか!そうですよね。」と笑いながら言った。