結婚願望
私たちは入籍した時、親戚や親から、約百万ずつのご祝儀をいただいていた。




式を挙げなかった私たちは、その殆どを互いの郵便口座に貯金していた。




その、私の口座の百万をよこせと言い出した。




私はお金でなんとかなるなら安いもんだと思った。




私は通帳と印鑑を引き出しから取り出すと、夫の顔めがけて思い切り投げた。




通帳は軽くて、うまく飛ばなかったが、印鑑は見事に命中した。




お金はあるに越したことはないが、私は早くこの男と縁を切りたかった。
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