空より青く、海より青く。
「おはよう、海都君。頑張ってるね」
「あ、店長!おはようございます!」
店長はいつもと変わらない爽やかな笑顔で店に現れた。
「海都君、正社員になってから、前より仕事に気合い入ってるね。さては、彼女のために頑張ってるんだな?」
ニヤッとして俺を見る店長に、俺は明るく返した。
「店長…俺、好きな子がいるんです」
ほぅ、と顎をさすりながら、店長は俺の話に耳を傾ける。
「付き合ってたんですけど…別れなきゃどうにもならない理由があって、…俺から別れを告げたんです。
でも、それは俺のはやとちりで。もう一度、彼女とやり直したい。
彼女に…告白しようと思うんです」
誰にも相談できなかったこと。
ひとりで悩み、苦しみ、見付けた答え。
それを言葉にできて、なんだか心が軽くなった。
「…素敵だね」
俺の話を静かに聞いていた店長は、優しい笑顔で頷いた。
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