空より青く、海より青く。
俺は住み込んでいた店長の家を出て、
美空と暮らしていたアパートに戻った。
そして、もうひとつ朗報。
事情を知った店長が、俺を養子にしたいと言ってくれた。
実際はイトコでも、俺と美空は戸籍上は姉弟。
そこを崩さないと、結婚できないから……。
「海都君、俺は前に、『この世に偶然はない、すべて必然だ』って言っただろ?」
俺の事情を聞いたあと、店長は静かに話し始めた。
「これ…な、俺のかみさんの形見なんだ」
店長が白いワイシャツの袖をめくりあげると、そこにはいつか見た細いブレスレットがあった。
.:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:.