空より青く、海より青く。



…今日、美空が帰ってきたら、すぐ抱きしめよう。



美空の今日の出来事を聞きながら、ケーキとか食って。



笑顔の美空に、そっとキスをする。







美空のことだから、また真っ赤になって俯いて、


俺の胸に顔うずめるんだろうな。







簡単に想像できる。


かわいい、俺の彼女。








俺はバイトが終わると、通り道のケーキ屋に立ち寄り、美空の好きなイチゴショートとモンブランを買った。



アパートの自分の部屋で、ウキウキしながら美空の帰りを待った。








――20時。


美空はまだ…帰ってこない。


…いつもなら、電話の一本くらいあるのに。


カラオケで盛り上がり過ぎて、時間忘れてんのかな?





――20時半。



…そろそろ、美空に電話してみようかと思ったとき、玄関の扉が勢いよく開いた。



「美空〜、おかえ……」



玄関まで出迎えに行った俺は、言葉に詰まった。



「…っ…かい…とぉ……っ……」





美空は、


泣いていた。








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