空より青く、海より青く。



「どうした!?なにがあった!?」



美空の腕を掴むと、美空は俺にしがみついて声をあげて泣き出した。


美空の身体は震えてた。



「とりあえず…部屋に行こう?な?」



美空の手を握りながら、2階の美空の部屋に入った。



「…どう?落ち着いたらでいいから、ゆっくり話して?」



美空は時々咳込みながら、泣き続けている。



そして――…



「…今日…カラ…オケ…行ったらね…っ……隆文さんがいて……っ…」



美空は鳴咽混じりに話し始めた。



「隆文さん?…って、あの…相田隆文?」



美空は小さく頷いた。






――相田隆文。


俺が通ってた高校の、理事長の息子。


素行の悪い俺の、無事卒業を条件に、美空との付き合いを強要した最低な奴。








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