愛かぎ*love×key*
私が戻ってくると何事もなかったように和人と鉾田さんは話し始めた。
「担当のものを呼んで参ります。少々お待ちくださいね」
「いえ、担当は鉾田さんがいいです」
「サクラ?」
和人はビックリした声で私を見てきたけど私は目も合わさなかった。
「和人の知り合いのほうが相談しやすいし」
「他のプランナーさんでも親身になって聞いてくれるよ」
何よ……和人のやつめちゃくちゃ焦ってるし。
「何で?鉾田さんが担当だったら何か不都合でもあるわけ?」
「そんなことないけど……」
聞かなきゃよかった。こんな和人見たくなかった。
結局、担当は鉾田さんになった。だけど何も決められなかった。
どうしても顔に出てしまう私は不機嫌で、そんな私を二人が必死でなだめるような感じ。
その日はパンフレットだけをもらって帰ってきた。