my Life
「はぁ~…」

京はため息をつきながら教室へと戻る。そこにはいつもよりにやけている翔太の姿があった。

「何でそんなににやけてんだ?」

「そんなことはどうだっていい。それよりどうだった? 加奈とちゃんと話はできたか?」

「まさかお前……」

「ん? 何だ?」

「……いや、何でもない」

京は首にからんでいる翔太の手を外し、自分の席へと戻っていった。今、翔太にかまっている余裕などないのだ。

……加奈…怒ってるだろうな……

京は午後授業中ずっと外を見ながらボーッとしていた。本当は真面目に黒板と向き合いたいところだが、全く集中ができないためこうした行動をとったのだ。

そして時は流れ放課後。

「京。帰ろうぜ」

連絡事項が終わると同時に翔太が駆け寄ってくる。その目はキラキラしている。どうやら昼休みの時の話が聞きたいようだ。

「悪い。俺、寄るところがあるから……」

「そうか…。分かった。じゃあ俺先に帰るな」

「ああ」

京が相づちをうつと同時に翔太は教室を出ていった。
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