my Life
「ふーんってお前! 怖くないのかよ!?」

翔太はいつになく真剣な声で、いつになく大きな声を出して京を見る。
だが京は、普通の顔で写真を翔太に返し、何もなかったかのように席について読みかけの小説を読み始めた。
この京の行動には誰もが驚いている。なぜなら、京には全くといっていいほど恐怖が見えないからだ。

翔太は写真を制服のポケットにしまい、京の前の席に座る。

「なぁ、京……」

「ん? 何だ?」

「いきなり話が変わるんだが、どうしてあんなに大好きだったサッカーを辞めたんだ?」

その翔太の質問に、京は小説を閉じながら口を開く。

「"大好きだった"じゃない。今でもサッカーは大好きだよ……」

「じゃあ何で……」

「俺に限界がきたからだ。ただそれだけのこと……」

京はそれだけを言うと、再び小説を読み出す。

「限界って……どういうことだ?」

「そのままの意味だよ。限界……つまりこれ以上先へは進めなくなってしまった……と、いうことさ。それ以外に理由はない」

小説を手に、京は翔太の質問に淡々と答える。
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