my Life
「このことは俺の親も知らないし、友達も知らない。知っているのは自分自身と、あの医者だけだ……」

「でも……どうして君はその病気のことを誰にも言わないの?」

「言わないんじゃないよ……言えないんだ……」

夜空を見上げていた京は、視線を優羽へと向ける。

「もし俺がそんなことを言ったらみんなが悲しんでしまう……」

「死んじゃったらもっと悲しむよ?」

その優羽の言葉に京は首を横に振る。

「俺はみんなが悲しまないように、黙ってこの世界から消えるつもりでいる」

「どうやって?」

「後5日後にまたここに来るよ。その時……」

京は下を向き言葉を詰まらせる。涙を流しているようだが、顔は優羽からは見えない。

そして京は顔を上げた。

「俺は自分の肉体を持ってから天国へ行く。君と一緒に……」
< 26 / 37 >

この作品をシェア

pagetop