my Life
キーンコーンカーンコーン

朝のチャイムが鳴る。京はなんとか遅刻せずに間に合い、安堵のため息をつきながら席に座った。

「ほらほら~、京君。ため息なんかついてたら加奈が逃げちゃうぞ~」

「変な冗談ついてんじゃねーよ。美波」

「本当のことなのに~」

ストレートにのびた黒い髪に澄んだ黒い瞳。彼女の名前は『睦月 美波(むつきみなみ)』。京と加奈と同じ幼なじみで、加奈の大親友である。
いつも京と加奈を冷やかしておもしろがっている。
加奈と同じく京の隣のクラスである。

「とにかく京。朝からため息はつくな! 加奈はため息が嫌いだからな」

「ああ。そんなことぐらい知ってるよ。伊達に5年間も付き合ってねーよ」

「そうね。確かにあなたたちの愛は深いし、互いのことをよく知っている。……そんな仲なんだからさ……隠し事はやめなよ」

「え?」

「あっ! もう授業始まっちゃう。じゃあね」

美波はそう言うと、手を振りながら教室を出ていった。

「隠し事はやめなよ……か……」
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