ラブソングが聴こえる

デビュー

カチカチカチ


ここはテレビ局の会議室。


今日は打ち合わせと本読みが行われる予定だ。


開始時間から30分以上も過ぎてるのにまだ始まらない。


ヒロイン役の女優が遅れてるのだ。


彼女は、私と違ってドラマに歌にモデル業までこなす、若手1番人気の有望株だ。


今私の目の前にいるHARUとは恋人同士だという噂だ。


歌は、私の方が上手いのにと思う。


なのに今回のこのドラマのタイアップ曲は、HARU作詞・*(アスタリスク)作曲で彼女が歌う。


ただ、ヒロインというだけで彼女が選ばれた。


そうこの世界は、そんな不公平なことは当たり前。


人気とこの業界の大物とどれだけ繋がりがあるかで決まる。


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