「「キミが…」」 (大地&美波) 【記念】
田辺 美波
今日はホワイトデーだから部活のみんなにお返しがいっぱい来る。
教室にはわざわざ後輩が来てチョコや飴やらいっぱいお菓子を貰った。
前の席にいる友達は「いいなぁ~」なんて言うけど、一ヶ月前にはあたしが大変だったんだから五分五分だろ。
クラスの違う信之助は昼休みにわざわざ来た。
でも、あたしは“ついで”で、メインは同じクラスの健とご飯を食べるため。
部活の時間になれば卒業した先輩が数人来て部活に参加した。
帰る時間になって信之助にもらったバタークッキーを食べて帰っていた。
信之助は幼馴染だからあたしの好きな物知ってるから便利だ。
健なんて「好きな奴にしか渡さない主義だから」なんて言ったよ。
あのんにゃろぅ…。
「その代わり今日はいくらでもパシッていいよ」なんて言い出すけど何のためのマネジかわかんなくなるから断った。
「美波」
「大地…」
1年のときから姿が1番変わったのは大地だと思う。
なんだか…ひょろかったのに筋肉が目立つようになった。
「ん…」
そぅぶっきらぼうに渡された紙袋。
あけると何か2つあった。
1つはプラスチックの入れ物に野球ボールのチョコがいっぱい入った物。
もぅ1つは箱が入っていた。
コップ入りのココアが造れるセットって書いてあった。
「この前美波の部活用のコップぶっ壊れてたから…」
「そっか…ありがと」
そぅ…2日前に壊れたんだ。
それを大地は知ってて買ってくれたんだ。
「ありがと」
あたしがそぅ言うと大地は眉を寄せて困った様に右唇の端を少し上げた。