ルル涙〜ナミダの恋人(上)





私に聞こえた
涙の声。



『な……んで?』


立ち上がった腰を
へなへなっと地面に降ろした。





『俺と居るからじゃない?』



肩より少し短い
駿介さんの髪が……



セミロングに伸ばされた私の髪が……







自然と風に吹かれ

宙を舞う。










『……涙?』



そこに居るなら
返事してよ。





『……っ……、


   涙!!』 







私は
もう居ないはずの愛しい人の名を
ナミダが枯れそうになるまで
叫び続けた。





駿介さんは
そっと傍に居てくれた。














< 100 / 110 >

この作品をシェア

pagetop