ルル涙〜ナミダの恋人(上)



夜になり、複雑な心境の中
4人で食卓を囲む。



テレビの音だけが厭に響く。






『…………』


『…………』






誰も口を開こうとはしない。






『……ねぇ、』



   カタン





私が何と無く話をしようとした時だった





居間の涙の仏壇から
絵入り時計が虚しく落ちた。







『……涙か……』



呆然と俊輔さんが呟く。











< 105 / 110 >

この作品をシェア

pagetop