ルル涙〜ナミダの恋人(上)



グイッ……。




『…わっ……!!』




意気なり、私の手を引き




ギュッ……。




『え、え?』



俊輔さんは私を
そのまま抱き締めた。






『……しゅ、俊輔さん?』



『優奈、好きだ……』







私は、それ以上
口を開かなかった。




有り得ない展開に、目を見開いて横にある俊輔さんの顔を直視出来なかった。






まだ、春の終わり頃。



タンポポの白い綿毛がゆらゆら……揺れていた。
















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