ルル涙〜ナミダの恋人(上)



あと30分で
12時。



三人でリビングの中央に俯いて固まったまま、誰も一言も口を開かなかった。





   カチッ





手元に置かれた
今日の夕方に届けられた、ウルトラマンの絵入り時計。




『PM 00:00』



早いもので
もう、誕生日は過ぎた。





悲痛じみた
唯歌とゆたかのすすり泣き。






私は何も出来なかった。













< 59 / 110 >

この作品をシェア

pagetop