ルル涙〜ナミダの恋人(上)
三章 タンポポ畑
田舎の畑で……
ある日曜。
私の妹と子供達を連れて
実家の田舎に出掛けた。
『おばあちゃん〜!』
『唯歌とゆたか、よく来たね。』
『母さん、智子も一緒に来たわよ。』
智子は私の妹の名前。
『母さん、久しぶり。元気だった?』
母さんはしわくちゃの顔を
さらにクチャクチャにして微笑んだ。
『当たり前じゃないの。年寄りを甘く見るんじゃないよ。』
智子は今年、22になるのだが
結婚相手もいないようだ。
にしても、
田舎は空気が良い。