ルル涙〜ナミダの恋人(上)



『………?
じぃさん、さっき煙草買いに行ったんだけどなぁ』



『すぐ向かいの自販機?』





母さんは静かに頷いた。



『じゃあ、あたし見てくるよ。』



と智子が玄関まで小走りに向かう。


『あぁ、気を付けてなぁ……』


『うん!!』





本当に父さん、煙草買いに行っただけかなぁ。








私は
有りもしない嫌な想像を振り払い、ゆたかを膝に乗せて縁側に座る唯歌を見つめていた。













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