ルル涙〜ナミダの恋人(上)



少しの間、ボケッと考えていると
横から智子が頭をコンって叩いてきた。



『あたっ……。』

『姉ちゃん、兄さん帰ってきたのに何をボケッとしてんのよ。』



『いや……何でも。』



『なら、良いけど。』






きっと、涙の変な夢の話しなだけよね。


気にしない。気にしない。







私は
その涙の夢と
兄さんの言った
『俊輔』さんを合わせるのは頭の中から消した。











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