ルル涙〜ナミダの恋人(上)
本当に暖かくて
気を抜けば
眠ってしまいそうな程、暖かい。
タンポポ畑は
ほんの小さな丘にある小さな畑。
そこで、近所の子供達も遊んでいた。
『ゆたかも少し、遊んでらっしゃい』
『うん』
私は丘のふもとで寝転がる。
真っ直ぐな青い空。
私の住んでる
真っ青な深い青の海よりは
透明で青い空。
気を抜いて
寝ちゃおうかな。
『お嬢さん』
ふと、目を閉じていた真上から
男の人の独特な低い声が聞こえた。