ルル涙〜ナミダの恋人(上)
【ユナ……】
ふ……っと
頭上から聞きなれた声が降り掛かる。
『えっ……』
私は見えない声に……
視線を駿介さんに向けた。
『涙だよ……』
駿介さんは
私と視線が合った瞬間に
そう言った。
そう、私の名前は
―ユナ―
だけども、本名で呼ばれるコトは
今までにあまり無かった。
何時も皆から
―ナァちゃん―
と呼ばれていて
本名を知る人も居なかった。
もちろん
駿介さんも……。