お姫様と靴磨きの男
無欲な男
何故そんなペコペコ
している?
何故年下の私にまで
敬語を使うのだ?
私はお嬢様と
バレただけで姫と
までは言っていない。
お前は城の執事か?
と言いたくなったが
相手は恩人だ。
私はそれなりのお礼
をしなければならない。
「お前の望みはなんだ?
何でも叶えてやるぞ。」
「…望みですか?」
私のいきなりの言葉に
ラミアスは目を丸くしたが
答えはすぐに返ってきた。
「特にありませんが。」
は?
何だと?
「嘘をつくな!!」
「そう言われましても。」
何なんだこの男は!?
欲のない人間など
この世にいるものか!!