お姫様と靴磨きの男



「サリナ様っ!!」


…いきなり名前を
呼ばれたものだから
思考が停止したではないか。


「…ん?なんだ大臣か?」

あぁ、やはり
町にも探しに来たか。

「なんだではありません!!
すぐに城にお戻りください。」

「…仕方ないな。」


私はラミアスに視線を
向けたがラミアスは
驚いた様子もない。


「…知っていたのか?
私が姫だと?」

「お嬢様でサリナと
言う名前では姫様だと
思うのが普通です。」

…私はそんなに
名が知れていたのか。


「おい大臣!!」

「何ですか?」

「私はこの者に
靴を一足磨いてもらった。
10ラクス払ってくれ。」

「10ラクス?
さてそんな小銭は
財布にあったかどうか。」


大臣は財布の
札束の下から
10ラクスを見つけると
ラミアスに渡した。
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