お姫様と靴磨きの男
一言の感謝
私が城に帰った後、
城の者はようやく
落ち着きを取り戻した。
このまま帰って
こなかったら誰が
責任を問われるのかと
ヒヤヒヤしていたらしい。
大臣は私を部屋に
入れた後、最後に一言
言い放った。
「頼みますから大人しく
していてください!!」
だが、私は
このくらいでは
大人しくして
いられない性分だ。
大臣も知っているだろう?
…それに今、
父上と母上に
伝えたいことがあるのだ。
明日でもできる
話かもしれぬが、
私は…どうしても
今日話がしたいのだ。