お姫様と靴磨きの男
「おはようございます。
サリナ様」
「様はいらぬ!!」
ラミアスは微笑して
言い直した。
「おはようサリナ。」
「あぁ、おはよう。」
後ろで執事が小さく
「無礼な。」
と呟いていたが
私は左手を上げて注意した。
「私より年上の者が
私に敬語を使う方が
おかしいだろう?」
「しかし、
身分の違いが。」
「身分など関係ない。」
私は執事に下がれ
と言いラミアスに
向き直った。
「今日の喜ばしい
騒ぎはサリナの
おかげだね?」
ラミアスは
にこやかに尋ねた。
「いや、私の
おかげではないぞ。
皆のおかげだ。」
私も微笑んで返した。