お姫様と靴磨きの男


「おはようございます。
サリナ様」
「様はいらぬ!!」

ラミアスは微笑して
言い直した。

「おはようサリナ。」

「あぁ、おはよう。」

後ろで執事が小さく
「無礼な。」
と呟いていたが
私は左手を上げて注意した。

「私より年上の者が
私に敬語を使う方が
おかしいだろう?」

「しかし、
身分の違いが。」

「身分など関係ない。」

私は執事に下がれ
と言いラミアスに
向き直った。



「今日の喜ばしい
騒ぎはサリナの
おかげだね?」

ラミアスは
にこやかに尋ねた。

「いや、私の
おかげではないぞ。
皆のおかげだ。」

私も微笑んで返した。
< 48 / 50 >

この作品をシェア

pagetop