夢でまた会えたなら…

「これ可愛いー♪」

叫ぶように声を出す。
詩音の一番好きな服屋。

今日は俺が休みだから久しぶりに一緒に買い物をしている。
結婚して初めての休みだから詩音の好きなところを行くことにした。

「決めたー♪」
わくわくしながらレジに行く詩音を見て照れくさくなった。

結婚する前に同居していたし結婚式はあげていないからか実感がわかない。
でもたまに見せる詩音の大人びた姿を見て、俺の嫁なんだ…と思ったりする。

「どうしたの?」

ぼーとしていた俺に声をかけた。
両手に袋を抱えて。

「買った?」
「うん」
幸せそうな顔でいう。

「じゃ、行こっか」

俺は片方の袋を持って詩音と手を繋いで車に戻った。

幸せだった。

すごく すごく
幸せな時間だった。



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