禁断トライアングル
第三章

好きという名の偽り

今日は、気楽。


「行ってきまーす」


「行ってらっしゃい、結弥」


真結先輩と、塾の日程がかぶってない日だから。


昨日は、結局、夕飯をごちそうになった。


お兄さんが、作ってくれて。


正直、お兄さんに優しくされるのは怖かった。


先輩に、また何かされるんじゃないかって。


でも……先輩はあのあと、ずっと何かを考えてるような、落ち込んでるような、


とにかく、上の空な感じで、部屋で2人きりでも、何もされなかった。


正直ホッとしたけど


大好きな人がそんな状態だと、心配になる。


でも、聞いちゃいけないような気がして、ずっとそばにいるだけだった。



「結弥君」


「……波月(なつき)さん……」


塾に行ったら、呼び止められた。


ひとつ年上の、波月ゆうさんに。
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