禁断トライアングル
顔を強引に波月さんの方に向かされた瞬間


「……好き」


顔の真ん前に、波月さんの顔があって。


キスを、されてた。


長い、キス。


真結先輩とも、したことなかったのに。


苦しくなってきて、波月さんの胸を叩いた。


それでも、波月さんは離れてくれない。


逆にもっと激しくなって。


目の前が潤み始めた。限界で、波月さんを突き飛ばした。


カシャンっ……と、鎖の小さな音が響いて、


波月さんがブランコから勢いよく立ち上がった。


「私だったら……」


大きな声で、波月さんは言う。


「私だったら、結弥を傷つけたりしない!!」


……え?


「真、結先輩、の、こと……」


「あの人、結弥のこと、傷つけてるんでしょ?」


どうして、知ってるんだよ?
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