禁断トライアングル
お兄ちゃん。


本当に話してくれてありがとう。


そっか、結弥のこと好きだったんだね……。


なら、あの結弥に対するデレっとした優しすぎるくらいの態度は、納得だね。



「ねぇ、お兄ちゃん」


「んー?」


「私たち兄妹ってさ


……なんで禁断の恋しかできないんだろうね」


同性好きになっちゃったり、


実の兄好きになっちゃったり……さ。


「そーだなー?……わかんねぇや。運命かも」


笑って言った、お兄ちゃん。


そうだよね、運命かもね。


なんだかんだで、運命とか、必然なのかも。


「なぁ、真結」


「なーに?」


「お前さ、結弥君に告白しろよ」


え……?


でも、それじゃ……。


「ちょっと待って、それじゃお兄ちゃんっ……」


「いーの、俺の恋は叶っちゃいけない恋なんだ。そして、真結の俺に対する恋も、叶わない。だけど、真結と結弥君の関係だけは、このトライアングルの中で、成立するんだ」
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