禁断トライアングル
「……結弥」


「……な、に?」


真結先輩は、俺に何を話すんだろう。


なぜか、ドキドキする。


「……ごめんなさい!!」


……え?


何で謝るの?


「私……いっぱい結弥のこと傷つけて……。結弥は、私のお兄ちゃんへの想いを理解しながら、私のこと好きでいてくれたのに。本当に、ごめんなさい!!」


そういう、ことか。


そんなこと……ぜんぜんいいのに。


だって、俺……先輩のこと好きなんだから。


「俺も、ごめん」


お兄さんまで……。


「自分の気持ちを、だめってわかってても抑えられなくて……傷つけたよね……本当、ごめん」


俺、傷ついてなんかないですよ。


むしろ、嬉しかったから。


「……私とお兄ちゃんのこと、許して、くれる?」


…もちろん。


端から、怒ってなんかない。


「……うん」
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