禁断トライアングル
第二章

抑える衝動

「お兄ちゃん、結弥来たよ!」


「こんにちは、お邪魔します」


「いらっしゃい、結弥君」


冷静でいられた自分に拍手したい。


男子にしてはちょっと長めの髪を、耳にかけて


結弥は柔らかく微笑んでいる。


心臓が、押さえ込みたいくらいに、うるさい。


顔が赤くならないことが、奇跡。


「なんか、飲む?真結の部屋、持ってくけど」


声、震えてないよな。


「私、紅茶。結弥は?」


「俺も、紅茶で良いです」


「了解」


部屋持ってく時、手震えそうなんだけど。
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