禁断トライアングル
お兄ちゃんが出かけてくれて、ちょっと楽になった。


もう、結弥に対して向けられる笑顔を見て、苦しまなくて済む。


「ゆ、み?」


「な、何……」


「ごめんね」


まだ震えの止まらない、結弥の身体。


自分勝手だ、私は。


結弥を傷つけて。


結弥は、本当にいい子なのに。


こんな私を、好きでいてくれるのに。


私はいつも傷つけて……


そして、愛しく思う。


本当に、勝手。


「ごめん……ごめんっ!!」


乱暴に、抱きしめる。


「ちょっ、先輩……苦しいって」


「ほんとに、ごめんなさい」


「謝らなくていいってば」


こんな私に、


なんで結弥は


「真結先輩は、悪くないよ」


って、言ってくれるの……?
< 9 / 37 >

この作品をシェア

pagetop