Forbiddenfruit
『愚痴言う時は、周り確認したほうが良いよ』
は!?
「誰!?」
その言葉に反応したのか、相手はボイラーの影から立ち上がった。
相手は・・・男の人だった。
顔は勿論知らない。
というか、男子ほとんどの顔を知らないので当たり前なんだけど。
『何悩んでんの?』
単刀直入だな・・・
「悩みっていうか・・・独りなんです」
ふーん、と言いながら男は私の横に同じようにフェンスにもたれかかった。
『一人って、親居ないの?』
「いますけどほとんど家に居ないで男の所行ってます」
不思議とその男の人には、秋葉以外には話した事の無かった家庭について話してしまった。
だがそれを後悔した訳では無い。
「離婚して、私は父似だから母は私の顔をよく見ないの」
『・・・浮気?』
「はい」
『そっか。俺もさ、親が再婚で義理の母さんに嫌われてるんだよねー。だからこの歳までアメリカに追いやられてた』
「そうなんですか・・・」
アメリカか・・・
アメリカ!?