Forbiddenfruit
「えっ・・・じゃあ今日来るって大騒ぎだった転校生ってあなた!?」
『大騒ぎだったんだ(笑)たぶんそうだよ』
驚きのあまり言葉が出ない。
あんなに緊張していた相手と今こうやって話をしていたなんて・・・
「あれ?でも教室に居たはずじゃ・・・?」
『居ないけど。すぐHR終わったら屋上に来ちゃったし。何で?』
言おうか言わないか、一瞬迷ったものの
「友達とあなたに会いに行ったから」
『へー。でも俺居なかっただろ?』
「分かんない。すごい人だかりで友達置いて屋上来たから」
男はクスクスと笑うと
『そんなすぐ諦めるんだったら何で会いにきたの?』
言葉に詰まってしまった。
「何か・・・変えたかったから。恋愛とか興味なかったし、でも退屈な毎日を変えられるかなってちょっと期待してた。あなたに」
『俺と会った事も無いのに大きな期待してたんだね』
沈黙が訪れた。
確かにそうだ。
会った事も無いけど、私は大いに期待していた。
『俺もさ、この転校をきっかけに何か変われればなって期待してた。しかも、たった今変わった』
「今?」
男はフっと顔を緩め
『あんたが変えてくれた』