Forbiddenfruit

出会いの形

私と蓮の出会い･･･


それはなんのドラマも無く、単純なものだった｡



けど･･･



何よりも意味のある事だったと”今”も確信している――･･･





―５年前―




今日も日差しは真夏並に暑く、額からはうっすらと汗が滲んでいた｡


｢･･･起きなきゃ･･･｣



自分に言い聞かせるようにして言った言葉だったが効き目は全くと言っていいほど無かった｡




時刻は６時半をまわっていた｡




起きないと本気でヤバイ･･･


あぁ････




あと10分･･･




そんな甘い考えも浮かんだが学校に遅刻してしまうという気持ちのほうが強かった｡



よいしょっと体を起こして、まだボーっとする頭で朝食のメニューを考えた｡


｢昨日の残り･･･何かあったっけ?｣



自然と冷蔵庫へ向かった。


中には玉子焼きと肉じゃがとお漬物ぐらいしかなかった。


｢まあ、食べられるでしょ｣