機械魔法伝
第5説
 ガイ達は、あの集落をでた後、凍てつく大地を歩いていた。


「寒い…」


 ライが身震いをしながらそう呟く。

 ここは気温が低すぎて草木も育たないのだ。ただ、あるのは雪と氷だけだった。

 銀世界とはこのような場所を言うのであろう。


「寒い…。ライ君、肌身に着ている服を全部脱いで僕に着せてよ…」


 ガイは今にも死にそうな顔をしている。

 ライも寒いのは同じなので、それは出来なかった。


「無理だって!服を脱いだら凍死して死にそうだし…」

「君の命なんてどうでも良いんだよ。凍死して死ぬか、僕に殺されて死ぬか、どっちが良い?…僕だったら、どっちも嫌だね。」


 どっちも嫌なら言うなよ!ライは心の中でそうツッコんだ。



 
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