機械魔法伝
 ガイが火属性の魔法を発動した後、暖かくはなったのだが、代わりに体が疲れてきた。ここまでずっと歩きで来ていたのである。


「アレはどこかな…」


 ガイはこの土地で、何かを探しているようだった。

 海がある場所を発見すると、ガイはそこへ駆け出して行った。ライとキルもそれに続く。

 海と言っても南国の海では無く、北国の寒い海だった。












「船はどこだろう…」


 ガイが探しているのは船のようだ。


「なんで船なんか探してるのー?」


 キルがそう言ってガイの顔を覗き込む。


「…向こうの大陸に行くんだよ」

「向こうの大陸…」


 "向こうの大陸"とは、魔法都がある大陸の事だ。ちなみに、魔法都はネリクの最北端に位置している。

 だが、何故サイバーシティーに行かなければいけないのに魔法都へ行くのだろう…。ライがそう考えていると、ガイがその気持ちを察したかのように、こう言った。


「サイバーシティーに行くには電脳世界を通らないといけないんだよ…。魔法都に電脳世界について詳しい奴がいるから魔法都に行こうかと」


 電脳世界とは、俗に言う異次元世界の事だ。サイバーシティーは町の入り口を電脳世界で塞いでいる。これはどんな強力な魔法でも破壊出来ないのだ。サイバーシティーへ行くならば、電脳世界に入らないといけない。


「まぁ、そういう事。君達も早く船を探してよ」


 そう言われて、ライ達は船を探し始めた。



 
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