機械魔法伝
 だが、ラオタナは顔を曇らせてこう言った。


「…でもなぁガイ。その闇魔法をどうやって解除させるんだ?俺やこの2人は魔法が使えないし、お前は闇魔法は使えないだろう」

「…使えないから今から僕が習得しに行くんだよ」


 ガイは軽くそう言ってみせた。


「なっ…」


 ラオタナの顔が引きつる。…何故かと言うと、闇魔法は邪悪なる闇の力を使い発動させる魔法で、元々は魔族などが使っていた魔法なので、人間の術者へのリスクは聖魔法、一般属性魔法は勿論、呪術よりも高くなる。扱う魔法によっては詠唱しただけで死に至るものもある。

 それをまだ子供のガイに習得させて良いのか…

 …絶対に良い訳がない
闇魔法の習得はベテランの術者でも危険を伴う。
…だったらガイを止めなくては!


「ガイ!頼むから行かな…」
「そんな偽善の言葉はいらないよ」


 ラオタナの言葉をガイが遮った。ラオタナは驚いた顔でガイを見る。ガイはさらに口を動かす。


「僕以外に誰が闇魔法を習得してくれるんだ?君だったら闇魔法なんて習得したくないだろう。ライ君やキルに習得させようとしても、魔力足りずで命が無くなるだけだ。この中で唯一魔法が使えるのは僕だけだ。それに僕は…」


 ガイはニコリと笑い、こう言った…

 
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