機械魔法伝
　ガイはフメリエ家の洋館に入った。どうやら、洋館の中は玄関から入って一方通行の廊下があり、そのまま魔法習得の儀式が行える部屋へと続いているようだ。

　便利な構造をしている。ガイはそう思って廊下を進んでいたのだが、中々奥の部屋へとたどり着けない。

　ガイは諦めて、移動魔法で奥の部屋まで行く事にした。


「…ヴァヒタルン」


　そう唱えると、ガイの体がその場から消えた。












　ガイが移動魔法を使い、魔法習得の儀式を行える部屋の前まで来ると、そのまま部屋のドアを開けた。


「…君が魔法習得の儀式をしてくれるのかぁ…」


　部屋の中央には逆十字が描かれた魔方陣があり、その脇にはイスに越しかけた老人の男性がいた。


「汝、願い事を言え…」


　老人がガイを見てそう言う。ガイはハッキリとこう答えた。


「闇魔法を習得したい」

「な…なんと…」


　老人はこんな子供が闇魔法を習得するとは思っていなかったのか、驚いてそう言う。だが、また元の表情に戻り、声に凄みを出してこう言った。

「良いのか…闇魔法を習得せん時、汝の身に恐ろしい不幸が降りかかるぞ…」

　
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