機械魔法伝
 その頃、ライとラオタナはガイ達の帰りを待っていた。


「ガイの奴…遅いな」


 ラオタナが不安そうに自分の腕時計を眺める。

 あれから長い時間が経過している。もしかして死んでしまったのか…?いや!そんな事を思っては駄目だ!…だが、やはり心配だ。少しガイを探しに行ってこよう。

 ラオタナは玄関のドアノブに手を置いた。


「ライ、俺はガイを探しに…」


 ラオタナがそう言おうとした瞬間、ドアがいきなり開いた。


「ぶへら!」


「たっだいまー!…って、ラオタナ!?」


 キルが何の拍子もなくドアを思いっきり開けたので、ラオタナは鼻面を強くぶつけてしまった。

 ラオタナは赤くなった鼻を押さえながらキルを見上げる。


「ゴメン…」


 すまなさそうに頭を下げるキルの後ろに少し笑い顔のガイがいた。


「何やってるの?トナカイごっこ?」

「……………」


 …心配していた自分がバカだった。ラオタナは深くため息をついた。

 ガイは部屋の奥まで入ると、ラオタナにこう言った。


「電脳世界のゲートまで案内してくれないか?」

「もう…行くのか。気を付けろよ…」

 
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