機械魔法伝
　…その様子をガイとライは物陰から見ていた。

　実は２人はサイバーシティーには入らずに、サイバーシティーのゲートの近くで身を潜めていたのであった。


「上手く撒いたみたいだね…。僕達も入ろう」

「うん…」


　ライはガイに続いてゲートの中に入って行く。

　さっきのキルのアンノロイド騒ぎのせいか、サイバーシティー自体を警備するアンノロイドのようなものはいなかった。


「おかしいな…」


　ガイがそう言ってサイバーシティーの中心部まで来ると、いきなり人間の警官に周りを取り囲められた。


「あぁ、こういう事か…」


　ライが焦っているのに対し、ガイは落ち着き払って冷静にそう言った。


　きっとゲートの辺りはアンノロイドに警備させて、大事な内部は知能が高い人間で警備させていたのだろう。中々の戦略だ。

　だが…生身の人間を自分と戦わせるのは間違っている。何の魔法の修行もしていない人間が魔法を発動されると、最悪の場合死に至る…


　ガイはまた杖を上に掲げると、ライにこう告げた。


「ライ君…もう君は好きな事をして良い。」

「え…？」

「逃げるなり戦うなり破壊活動を行うなり好きにしろって事だよ。別に僕は君の助けはいらない。生身の人間相手だしね。スグに殺れる…」

　
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