機械魔法伝
「わ…ごめんなさ…」


 見上げると、そこには大柄の男が立っていた。ガードマンや警備員のような人だろう。

 相手が人間で良かった…。人間なら話を聞いてもらえるのかもしれない!


「あの…」
「ここは子供の来る所じゃないぞ!早く家に帰れ!」


 男はライの首根っこを掴もうとする。


「ちょ…ちょっと待って下さい!俺をサイバーシティーの頭領みたいな人の所に連れて行って下さい!サイバーシティーの未来の為に!」

「サ…サイバーシティーの未来の為に!?」


 男は驚いたのかライの首根っこを掴むのをやめた。

 ライの瞳は…キラキラと輝いていて、何の曇りもなかった…

 …男は決心すると、ライにこう言った。


「分かった。俺に付いて来い」

「は…はい!ありがとうございますっ!」






 ライは男にある部屋の前まで連れて行かれた。


「頑張れよ…」


 そう言って男は去って行った。

 ライは緊張しながらドアノブを回す。…すると中には絶望しきった表情の中年の男が、ドッシリと椅子に座っていた。目は何故か死んでいる。

 
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