機械魔法伝
「あ!」


 見ると、ピエロのような服を着た緑色の髪の少女が、両手に包丁を持ち、それを振り下ろそうとしていた。


「バイバイっ!」


 少女がライの首を斬ろうとすると…


「ぎゃひっ!」


 その少女が何もしていないのに、その場に転んでしまった。


「もう一度…うぎゃっ!」


 起き上がろうとすると、また転んでしまう。


「三度目の正直…くはっ!」


 少女は地面にうなだれてこう言った。


「あたしって転び病なのかな…アハハ!」

「…お前誰?」




 ライが少女を不思議そうに見ていると、遠くから見ていたガイが近づいてきた。


「誰?」


 ガイが少女を見てそう質問する。少女は元気にこう答えた。


「あたしはキル・ベクトリー!こう見えて妖精なのだ!きゃはっ!」

「…名前と頭の中身が可哀想だね。特に頭が。」


 ガイが呆れ顔でそう言った。


「あたしの頭を心配してくれてるの!?ありがとうっ!感激だわ!でも、あたしは至って健康的だから心配しなくても大丈夫よぉっ!」

「いや、精神的にね…」


 ガイがまた呆れ顔でそう言った。
< 9 / 49 >

この作品をシェア

pagetop