『短編』思惑〜オモワク〜
 

「実際モテるわよ、あの子」


京香が昼食のパスタをフォークでいじりながら言った。


「あの子って、なんていうの……天然っていうのかしら?ちょっぴりドジなんだけどそこがまた可愛いって、男性社員からの人気はすごくあるわね」


自分の恋人が『山瀬 結衣のことを気に入っているその他大勢の一人』と思うと何とも言えない悔しさがこみ上げて来た。


「今どき、『天然』なんて本当にいるの?」


敦子は少し棘のある言い方をした。


「さあ……でも、敦子の方が断然美人よ」


少し苦笑いして、京香は答えた。







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