君がいた…
その時―

「宏史。もうすぐ終わるから、がまんして座ってろ。」

そう言ったのは

人垣をかきわけ 宏史の隣の席に座った

あの 男子生徒だった。

宏史は彼の言うことを聞き、イスに座ると

今度は頬杖をついて 窓の外を眺め出した。

一瞬 はりつめた空気が流れたが

宏史が席に着いた事でなんとか落ち着いた。

秋山も少しホッとし

「ありがとな、浜田。」

と、先程の男子生徒に耳打ちをして

教壇へ戻って行った。

彼―男子生徒は、宏史の幼なじみ

浜田 俊樹<ハマダ トシキ>

今のところ 宏史を止められる唯一の人物らしい。
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