君がいた…
練習を続ける部員達をじっと見つめる宏史

そこへ

ボールが一つ転がってきた

「久々にやんね?」

声の方を見ると、俊樹が笑って立っていた。

俊樹に答えるでもなく

ただ

足元でボールを転がすだけの宏史。

「行くぞ。」

一言そう言って

俊樹は宏史からボールを取り上げて走り出した。

俊樹の背中をあっけにとられて見ていた宏史だが…

「…くそっ!」

吐き捨てるようにつぶやくと

全力疾走で俊樹を追いかけた。

そして

俊樹からボールを奪い反対側へ走って行く。

それを見た俊樹は

『よしっ!』

心で叫び

右手に小さくガッツポーズを作った。
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